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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年5月のニュース一覧
▼[2001.05.31]歴史の再臨
▼[2001.05.30]最低の国家の最低の事情
▼[2001.05.29]悪事は続く?
▼[2001.05.28]明日のテレビをみよう
▼[2001.05.27]ftp transfer.jupiter.europa.planet
▼[2001.05.26]この体たらくの結末は
▼[2001.05.24]ラブ・ソング
▼[2001.05.23]かます林檎の味
▼[2001.05.22]目を抜かれた生き馬
▼[2001.05.21]PCシェアのホントとウソ
▼[2001.05.20]解なき公式
▼[2001.05.18]乱戦の秋へ
▼[2001.05.17]薬と毒
▼[2001.05.16]新風,一陣
▼[2001.05.15]断罪,暁光,悟得
▼[2001.05.14]X架ける橋2
▼[2001.05.12]知の向上は,ここにある,ここにしかない
▼[2001.05.11]爆走の余韻
▼[2001.05.09]聴きたいものを聴けるその日まで
▼[2001.05.08]A HUMAN WORK
▼[2001.05.06]とあるサイトの出来事
▼[2001.05.05]共有されることが生きること
▼[2001.05.04]夢も希望もない
▼[2001.05.03]チタンから,一擲
▼[2001.05.02]5月に降る雪
▼[2001.05.01]絶対無比の横顔にキス

■2001年6月のニュース一覧
■2001年4月のニュース一覧


 
[2001.05.31]
  歴史の再臨


 ▼ブラジルで人気の「共産主義的」音楽ファイル交換ソフト(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/20010530203.html


 政治学者のフランシス・フクヤマが,「歴史の終わり」を著したのは1989年だった。共産主義の終焉は,大きなひとつの歴史の終わりと捉えられた。だが,本当に共産主義は終わったのか? リベラルな自由資本主義は,本当に最終到達点,だったのか?

 ブラジルで「共産主義」から名前を取った「コムナ」というグヌーテラ・ベースの音楽共有ソフトが人気になっている。マルクス主義イデオロギーはブラジルであまり人気がないが,コムナの作者はこの名前がふさわしいと云う。米国人は,意識しないままインターネット中で共産主義を奨励し続けいる,と考えられる。

 東西ドイツの象徴でもあったベルリンの壁が崩壊し,ルーマニアの独裁者だったチャウセスクが無残に処刑される映像が世界中に流れた。ソビエト連邦も崩壊し,冷戦,は終結した。共産主義・社会主義という「間違い」が正されたのだ,ひとつの歴史が終わったのだ,とフクヤマは述べた。だが,その意見に反対する者もいた。マルクスの理論は間違っていたわけじゃない。ただ,実際に共産主義を行っていた者たちが失敗しただけなのだ,と。思想に大きな間違いはなくとも,それに基づいた現実の政治が失敗しただけなのだ,と。だから,なにも終わってなどいない,再び,優秀な指導者の下,成功する共産主義は現れる,と。

 今に至っても優秀な指導者は現れてはいないが,それに近い環境は,世界中を覆いつくしているのかもしれない。ネットワークは,記事にあるように「個人の富の蓄積よりも社会的平等性を重んじる文化を示」している。そして,あらゆる資本主義と敵対する方向にある。ネットワークで商売しようとするものは失敗し,資本主義の権利をかざすものには徹底して攻撃が加えられる。…私は別に,共産主義者でも社会主義者でもなくって,ネットワークの文化について云っているだけだ。歴史は終わっていなかった。いや,歴史が「ふたたび」動き出しているのだ。絶対の指導者としての,ワイヤードの神に導かれながら。




 
[2001.05.30]
  最低の国家の最低の事情


 ▼ADSLの東京めたりっく通信が経営危機(asahi.com)
  http://www.asahi.com/business/update/0529/001.html


 まともな政治家がいたら,こんなことにはならなかった,という簡単な一例。

 ADSLサービスを提供している東京めたりっく通信が約40億の負債を重ね,融資先もみつからない状態となっている。営業権の全面譲渡など,抜本的な対策を検討していくと云う。

 月の売上高3億に対し,4億から4億50000万の支出,つまり毎月1億円以上の赤字が積み重なっているという東京めたりっく。そら,どっか資本のあるところに身売りでもするべきだろう。それ以前に,その支出にはNTTへの回線使用料も含まれる。DSL市場のシェアで25%とかなり善戦しているのはわかるが,そもそも主たる回線を借りて,その相手の手の平の上で商売しているのだ,手の平を返されたら元も子もないのはわかりきっている。そんな状況を作ったのは,誰か?

 もともとこの国の通信業界には,競争などというものは存在しない。NTTとNTTドコモがあるかぎり,日本にまともな通信環境が敷かれることはない,決して,ない。そしてそのような寡占状態を作った行政の責任は計り知れない。独占企業を作るためだったら,民営化などした意味はない。そもそもNTTがDSLの普及を遅らせたのは,ISDNというものの商品価値を低めないという足枷のためでしかなく,そんなつまらん理由のために,この国は世界のはるか後方にいるのだ。そして,よく日本と比較されるが,なぜ韓国でDSLが130万回線(日本は11万回線)を超えているのか? 韓国では政府が新規参入のDSL業者を税金や融資などできちんと支援し,それらの企業がしのぎを削ってサービスを展開している。すべてが日本の逆なのだ。日本でCATV局による接続がそこそこ普及していることは確かだが,それは地方行政からの支援を受けているからこそ。それに対し,DSL事業者にはなにもないのだ。こんな国で,まともな高速回線が普及するわけがない。すべてが行政のミスだ。いちばん簡単な解決法はNTTを潰すことだが,それができなくても主要回線はNTTから取り上げて,すべての事業者に無償で提供すべきだ。インパクだの,メルマガだの,つまらんことに金を使うよりも,本当に実のある政治がみてみたいものだ。まぁ,無理だとわかっているが。(参考としてImpress INTERNET Watchの記事




 
[2001.05.29]
  悪事は続く?


 ▼児童ポルノを見つけて通報するワーム『ノープト』(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010528301.html


 善の心を持った悪の行動。悪の心を持った善の行動。善のために必要な悪事? 悪のために必要な善事? 本当の悪は見えにくいけど,そのクリックひとつが,最大の悪,かな?

 最近活動しだした新しいワーム「ノープト」(Noped)は,ユーザーのハードディスクを検索,児童ポルノと思われるファイル名の画像を探し出し,当局に警告のメールを送る。だが,動機が児童ポルノ批判であっても,このワームを褒め称えるわけにはいかないという意見もある。

 流行っているのか? とも思う昨今のワーム事情。先日は現在猛威をふるっているライオン(1i0n)・ワームが作るセキュリティーホールを塞いでくれるというチーズ・ワームなるものが報告されていた(ZDNet Newsの記事)。善のためには,方法は問わない,と云ったところか。ノープトの指定の名前のファイル名を探し出して,メールに添付送信,さらに自己もアドレス帳から一斉送信という,その行動力は抜け目なくて感心させられる。

 チーズについて云えば,どうせマックOSのソフトウェア・アップデートやウインドウズのウインドウズ・アップデートのような機能を使わない人は多いし,サーバーを管理していてもあちこちで被害が出ている穴のパッチを当てていない状況は多い。そういう穴を勝手に直して回るなんて素晴らしいぢゃないですか,とも思うが結局なんの解決にもなっていないのはわかる。管理者はなにもしてないのだから,次の,もっと悪質なワームを呼び込んでいるだけだ。なんにしても目的のために,手段を選ばないと,それは罪となる。そこいらにいる人を皆殺しにするのは,それらの人が起こす悪事を防ぐためだ,という理屈と同じ。あっ,こっちはせめて殺されないようにteen.jpgとかは20010527012210.jpgとかに変えておきましょうね(^_^;)。つーか,その前に添付ファイルをクリックしないでねん:D。




 
[2001.05.28]
  明日のテレビをみよう


 ▼明日のテレビ番組を今日のうちに観てしまう(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010525-2.html


 明日のテレビは,IPに乗ってやってくる。現在のテレビは,放送エリアが限定されるため,絶対的なメディアとはなりえないが,IPTVはそれ,になりえる。だが,IPと対抗するようなことをすれば,音楽業界よりももっと痛い目をみるだろう。

 放送前の系列局に番組を配信するデータを受信し,インターネット上でそれを公開する「テレビリップ」が登場している。そのテレビ番組が,MP3音楽と同じように交換されるようになった。違法性を問う声もあるが,放送前のデータを受信するには専門知識が必要で,ファイルサイズも大きく,もともとテレビ番組は無料であり,価値はないという人もいる。

 今グヌーテラなどのファイル共有ソフトで検索すると,それなりにテレビ番組のデータを探すこともできる(ビデオやDVDからのデータかもしれないが)。だが,ファイルサイズはやっぱりとんでもなく大きく,ダウンロードするにはそれなりの時間もかかるため,ためらわれる。が,MPEG4の標準化や,帯域幅の拡大などでそれらの問題が解決されれば(すぐに解決されるだろう),オンラインからビデオを得るということは,日常的なことになりそうだ。利点は多く,便利だし,手軽に楽しめる。AM・FMからIPラジオへの流れと同様に,IPはテレビも飲み込む。

 そういえば以前,テレビ番組をリアルタイムで,そのままストリーミングで流すというのがあったなぁと思い出していた(過去記事)。IPに乗せて,ストリーミングで24時間放送することなど,技術的には明日からでも可能な話で,電波法も関係なくなるし,世界中の人たちが対象となるのでレイティングの事情も変わる。CM単価も跳ね上がる。はやくそんなテレビ局が現れて欲しいものだ。音楽業界もそうだが,テレビ局も,変革は今日からでも始められる。変革しないものは,結果的に見捨てられるだけだ。




 
[2001.05.27]
  ftp transfer.jupiter.europa.planet


 ▼火星からメール――徐々に近づく「惑星間インターネット」(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0105/25/e_mars.html


ftp transfer.home.europa.jupiter.planet
Connected to transfer.home.europa.jupiter.planet
220 transfer.home.europa.jupiter.planet FTP server (Version 8.98 Sat Nov 1 @598 2003) ready.
Name (transfer:rei): rei
331 Password required for rei.
Password: *****
230 User rei logged in. and so, I love you...

 インターネット標準化団体に提出された惑星間インターネット構築案によると,今年後半よりプロトコルの地上テスト,2003年にはNASAの火星探査で実地テストを提案している。距離による時間差の問題や,データ喪失,盗聴されやすいためセキュリティの問題など,多くの問題は残っているが,商用化を進めることによって実現できそうだ。

 かなり以前から話は出ていた惑星間インターネット(過去記事)。いろいろな問題があるものだと思いながら記事を読んでいた。とにかく,データが一部欠落してしても,それを伝いあい,エラーが防がれるIPの信頼性を維持するのが難しそうだ。例えばFTPでも,接続,認証,データリスト送信,データ送信など逐一,確認しながら進むため,ひとつひとつの接続に時間がかかってしまうようだと厳しい。

 だが,人のいるところにネットワークがある。ネットワークは作られるのではなく,人と人との結び付きを疑似化させたものに過ぎない。木星の彼方にいる彼女への想いに,距離は関係ない。 ほら,おぼえているでしょ。月の地表から,地球へとメールを送った日のことを。エウロパのサーバーから,慈愛のメッセージを受け取った時のことを。




 
[2001.05.26]
  この体たらくの結末は


 ▼IM界のNapster,RIAAと法廷対決へ(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0105/25/e_aimster.html


 ナップスターもスカウアも死んで,最近,唯一威勢がよいのがエイムスターだった。そこに降り注ぐ,イカヅチ。エイムスターの末路はいかに? そして,エイムスターも叩き潰されたあとに待っている,この体たらくが引き起こす,本当の結末とは?

 米国レコード協会(RIAA)は,ファイル交換サービスを提供しているエイムスター社を著作権侵害で提訴した。エイムスター社は数カ月前にRIAAから警告書を受け取ったが,フィルタリングや監視などを拒否していた。この訴訟では,告発の対象として,エイムスターのCEO,ジョニー・ディープ氏個人の名前があがっている。

 自ら違法性がないことを裁判所に明確にしてもらおうともするエイムスター(過去記事)が,訴状を受け取った。ナップスターなきあと,ファイル共有サービスで唯一,気炎をあげていたエイムスターだったが,さて,どう対応するか。見守りたい。

 だが,これらのファイル共有をひとつひとつ叩き潰す動きは,音楽共有をふたたびアンダーグラウンドに戻しているだけだ(ZDNet Newsの記事)。そして,どうせリアルの著作権法とは相容れず,「違法なこと」としか認められないピアトゥピァなら,アンダーグラウンドの方がお似合いだ。元をただせばナップスターだってアンダーグラウンドの色が強いものだった。ショーン・ファニングは,あまりにもメジャーになる道を選びすぎた。私たちは再び明日から,フリーウェブスペースやFTPスペース,ホットラインサーバーを利用して,音楽を探すだけだ。そしてそのうち,ナップスターが壊せなかったものを壊す,もっとアンダーのものが出現する。そのときには,もう遅いんだよ,音楽産業自体がぶっ潰れる破壊力を持ったものがうまれる。わかる,よね。




 
[2001.05.24]
  ラブ・ソング


 ▼Mac OS X 10.0.2 が FTP の攻撃される可能性のある部分に修正を(TidBITS-J)
  http://tidbits.hotsync.co.jp/issues-j/TidBITS-jp-579.html#lnk2


 雨の飛沫の光が胸の 咎をヂクヂク責め立てる
 打つ雨音のかき消すなかに 聞えるしんとあなたの声が
 涙じゃない雨頬から胸に 熱冷ますよに流れても
 顔を見上げて雨粒受けて 差し出す指先風に消え失せ

 アップル社は,マックOS X 10.0.2のアップデートでFTPのセキュリティーホールを修正した。こんなに早く修正を配付してくれるのはすばらしいことだが,アップルはセキュリティーホールがみつかったとき,素直になってコンピュータ緊急対応センター(CERT)のようなセキュリティ関連グループに問題を認めるようにしなければいけない。Sudoのセキュリティーホールは,まだ手付かずのようだ。

 同じく問題となっていたネットワークタイムサーバー(NTP)の穴も,10.0.2で修正されていたようだ(Apple Security Updates)。きちんと事情を認識し,その機能を停止していたユーザー以外は,すべてのマックOS Xが対象とも云えたわけで,影響は大きい。今後もこのようなことは起こり続けるだろうが,そのときにセキュリティーの不備についてアップルが口を噤むことは,おおむねマイナスとなる。ユニックスウェアとしてのマックOSは,ユニックスのよい面とともに,悪い面の影響からも逃れることはできない。

 雨と云うよりも嵐だった。5月の新緑の原の上で,緑は吹きちぎられ,雨が叩き付けていた。破れた傘など差し続けているよりは,雨に濡れて,その冷たさを思い知った方がいいのかもしれない。大切なことは,どっちかっていうと,自分の弱い部分にある,と教えてくれた,あの人を思いながら。




 
[2001.05.23]
  かます林檎の味


 ▼アップル開発者会議は『OS X』一色(WIRED NEWS)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0521/vivendi.htm


 かます林檎の味知るや?

 アップル社のスティーブ・ジョブズCEOは,世界開発者会議で開発者に対し,マックOS X用ソフト開発を訴えた。ジョブズCEOはアップルでの行動を「これからの人生,ずっとウィンドウズを使いたくない,ということに自分で気がついたからだ」とも云う。ユーザーのOS Xネイティブソフトへの期待は高く,「OS Xを使いたいという気持ちの方が,古いソフトを使い続けたいいう気持ちよりも大きい。ネイティブのアプリを最初に出した者が勝ちだ」と述べた。

 最近かませっぷり満載な発言が目立つアップルだが(おもろいなぁ),MSから資金援助を受けていたときには考えられない,ウインドウズへの敵対的な発言は目を見張る。株価大暴落などで経済的な余裕を失って,このような姿勢に変えたことは明白。早急なOS Xプリインストールモデルの出荷も,当然10月下旬のウインドウズXPの話題が飛び交う前にと云う意図だろう。吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る,だろうが。

 そして夏のエキスポは,当然,iMacリターンの時となる。脱CRTの発言は(MacWIRE ONLINEの記事),液晶ディスプレイiMacの準備が整ったということで,長らく噂されていたニューモデルの登場。どん底の不振からアップルを救ったiMacの奇跡よ再び,という位置づけ。もちろんカラフルさもなく(それは今までの噂画像から外れる),チタン,スノーiBookの流れをくむデザイン。ほら,みえてきたでしょ?




 
[2001.05.22]
  目を抜かれた生き馬


 ▼仏大手メディア企業Vivendi UniversalがMP3.comを買収(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0521/vivendi.htm


 ナップスターはすでにナップスターではなくなった。MP3.comも同じく,すでにあの日とは違う顔つきをしている。なにも変わらないままでは,ただ滅ぶだけなのだが。目を抜かれた馬ほどわびしいものなし。

 ビベンディ・ユニバーサル社は,MP3・コム社を買収すると発表した。すでに傘下のユニバーサル・ミュージック・グループ社ソニー・ミュージックエンタテインメント社と合弁でオンライン楽曲配信の「デュエット」を設立しているため,MP3・コムはデュエットへ音楽配信技術を提供する候補会社となる。

 MP3・コムを訴えていたレコードレーベル各社は,どこもかしこもとことん追い込んで多額の賠償金で和解していったが,最後の最後まで残っていたのはユニバーサルだった。そのユニバーサルが他のレーベルよりもかなり厳しい条件で和解したのが昨年11月(ZDNet Newsの記事)。それからわずか半年,MP3・コムの終演は,ユニバーサルによってなされたと云ってもよい。MP3・コムは残るだろうが,すでに輝く目をしていない。ロバートソンの力強い言葉をきかなくなって,どれほどの時が流れただろうか。

 ユニバーサルがどこともつかず離れずの形でオンライン音楽配信を有利に展開しているのかもしれない。ヤフー・ソニーのデュエットに参加しているが主導的には動かず(過去記事),マイクロソフトのMSNミュージックともかかわりがあったり(過去記事),共同戦線をとるべきBMGと袂をわかつカタチでゲットミュージックを買い取り,音楽配信のイーミュージックも購入,そして,MP3・コム。ある意味では生き馬の目を抜く動きをみせているのだが,なにか手の内をみせていない印象もある。さてさて,どうなることやら…と思うが,なによりも,あの日のMP3・コムが消えうせる様は,あまりにも悲しい。




 
[2001.05.21]
  PCシェアのホントとウソ


 ▼Appleが“5 down, 95 to go”宣言(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0105/16/n_manifestoj.html


 シェア100%を目指す!ってなんかどっかでみたなと思ったら,セガガガpic)か…(^_^;)。まっ,それはさておき。MSオフィスにしか使われないパソコンが大半を占めるシェア率など,意味がない。ある人はウェブページを作り,ある人はMP3ストリーミングサーバーを世界に公開し,ある人は1日中ゲームをし続け,ある人は自分のために1晩かけて編集したDVDビデオを焼き付ける。パーソナルコンピューターのシェアとは,そういうユーザーをこそ数えるべきで,なんたら協会の出す数字とは別のところにある。

 アップル社は17日の全国紙で,「5 down. 95 to go.(5つはもらった。残りは95)」というスローガンを掲げた「宣言」広告を掲載する。アップルが小売店を展開する理由としてのコピーは以下の通り。「アップルの市場シェアは5%で,これは十分とは云えない。残りの95%の人にマックを知らせなければならず,その最善の方法として,ユーザーの近くにアップルストアを開店する。さぁ,はじまるぞ。『Shop differentt(ショップも変わらなければいけない)』」。

 アップルの日本でのシェアは,電子情報技術産業協会の調べから換算して前四半期で2.5%程度という意見もある(MYCOM PC WEBの記事)。だが,この論拠はあまりにも幼稚だ。残りの97.5%の大半は,企業が会社の各デスクに設置するために購入したものに過ぎない。そんなものはボールペンとおんなじ。誰もボールペンで特殊なことをしようとしないし,書ければなんでもよい。よりクリエイティブで,よりパーソナルで,より楽しめて,自分の価値を高めるための道具として機能しているパーソナルコンピューターのシェア率とは,全然一致しない。

 もちろん,ソニーのバイオのように,それを全面に打ち出している機種もウインドウズであるわけで,自作でとことんこだわったマシンを作って,その仕上げにウインドウズを入れている人もいるだろう。そういう使い方こそ,意味のある使い方だ。さて。そんなわけで,もともとビジネス市場を相手にしてないアップルにとって,シェアを気にすることは自己矛盾でしかない。でも,残りの95%も全部いただく,という強気の宣言は,なかなか気持ちいい(ああ,エセアップル広告←怒られますよ)。




 
[2001.05.20]
  解なき公式


 ▼SDMIが音楽の違法コピー防止技術の策定に失敗(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010519-5.html


 (ミュージック+セキュア)という公式は,根本的に成り立たない。解のない公式を求めていた無能の集まりは,破綻した。そして,これからも同様の破綻は続く,そして,破綻なきものには破壊が続くだけだ。

 著作権団体「SDMI」は18日,著作権管理技術の意見をまとめられなかったと正式に表明した。この計画が失敗に終わったことを示している。ウェブ上での音楽の違法コピー防止は今でも切実なもので,マイクロソフト社インタートラスト社などが独自のデジタル権権利技術を発表している。

 迷走し,遅滞をまねき,混沌に落ちていったSDMIが,破綻した。第1フェーズ(過去記事)から2年も過ぎ,音楽業界などが(建前として)待ち望んでいた第2フェーズは,日の目をみずに終わった。その第2フェーズ案であった著作権保護ファイルはハッキングされ,そのハッキング方法を公開をしようとした研究結果を,SDMIは力づくで潰した(過去記事)。その間に,レコード会社各社は,リアルやMS,ヤフーなどとともに著作権管理を行う道を選んでいる(過去記事)。すでに,SDMIには存在価値自体が消滅していた。

 これはDVDにも云えることだが,最初から観られることを阻害している映像や,聴かれることを阻害している音楽などは,いらない。私たちは音楽自体に金は払うが,音楽を聴くための鍵を買う金など払う気はない。だから,DVDは壊す。リアル・ネットワークスやMSが提供してくる音楽ファイルも,壊すことになるだろう。がんじがらめに縛られて,血を噴きながら,切り傷でズタズタになりながら,楽しめる音楽などない。つまり,「セキュアなミュージックなどいらない」し,そもそもそんなものなど成り立たない,ということだ。(参考:LYCHEE SOUNDS -Auxtracker-




 
[2001.05.18]
  乱戦の秋へ


 ▼「Nintendo difference」のもとCUBEは勝利目指す(GameSpot Japn)
  http://www.zdnet.co.jp/gamespot/gsnews/0105/17/news07.html


 今までの戦いが可愛いものに思えるほどの,熾烈な戦いのときが明らかになった。ソニーも,MSも,任天堂も,もう後戻りできない。一歩後ろは断崖絶壁。いや,崖から落ちないハードなどないのかもしれない。落ちて,なお生きているようなハードこそ,必要。その生命力としての「difference(異相)」。

 エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(E3)のブリーフィングでの任天堂社の発言。「似たようなゲームが乱発されている現在の状況に対し,任天堂は“Nintendo difference”で闘う。それによってゲームキューブは,(不振の)ゲーム市場を救う!」。

 Xボックスの299ドルという価格は(日本では3万4800円くらい?),425ドルでとんとんという話があっただけに,まぁがんばったというところか(CNET Japanの記事)。とりあえず「高い!」と思わせなかっただけ,ねらい目通りだろう。片やゲームキューブは,自社看板ソフトの期待感をあおり,第一印象を掴んだ。さらに,松下製互換機をプレステ2よりも安い価格に設定させて,プレステ2=DVDプレイヤーと云う(ある意味邪魔な存在の)購入層を崩してくるだろう。若干,Xボックスよりも話題性で上回ったか? そして,予定通りとは云え,たいした発表もしなかった「ファンタシースターオンライン Ver.2」の移植(過去記事)発表も効果が大きい(ファミ通.comの記事)。

 日本でのゲームキューブの発売は9月14日だが,米国では11月5日。11月8日に設定したXボックスと,わずか3日違いでしかなく,まさに全面対決の様相が強い。これまでの任天堂ならば,うちのユーザーとプレステ2やXボックスのユーザーとは層が違うとでも云いそうだが,今回はまさに直接対決を宣言。ソニーの失敗は目にみえて明らかなので,ゲームキューブは発売で一気に潰しにくるだろうし,外様のMSに対する対抗心はことの外強いのがみて取れる。こんな攻撃的な任天堂,みたことない。なんとも,面白くなってきたね。




 
[2001.05.17]
  薬と毒


 ▼シマンテックのウイルス警告を装った新手のワーム(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010516-7.html


 薬は扱いを間違えれば,毒となる。毒も扱いを気を付ければ,薬となる。

 シマンテック社は,Hard-Aというワームの存在を報告した。このワームは実行されると,アウトルックで「FW:シマンテックからのウイルス駆除警告」というタイトルのメールを送り,ブラウザの設定を変更するなどの活動を行う。

 1袋飲むべき薬を100袋一気に飲めば,身体に変調を来すこともあるだろう。ソクラテスの処刑の毒としても使われたアルカロイドは(アヘンアルカロイド=モルヒネ),鎮痛剤ともなる。ジギタリスは毒成分を持っているが,少量使うことで強心剤として働く。神経をむしばむボツリヌスは多汗症の症状を抑える作用があるともいう。薬は常に毒の一面であり,毒は薬になることもある。アンチウイルスソフトは,決して薬としてだけ作用するものではなく,転じるとハードディスク上のすべてのファイルに無条件でアクセスできる道具ともなる。

 そしてその薬と毒は,ワイヤード上のすべての情報にもあてはまる。散乱するテキストという毒と薬,掲示板という毒と薬,MP3という毒と薬,コンピューターウイルスやワームという薬と毒。薬としてどのような効果があるのか,毒としてどのような効果があるのかは,みなさんすでに御承知の通りで。薬と毒に表裏なし。




 
[2001.05.16]
  新風,一陣


 ▼E3:今年の主役は『Xbox』(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010515202.html


 春でも,夏でも,秋でも,冬でもない。新しい季節の風。刺激的で,香しい,光を照らす,風,一陣。

 不景気の風が吹く中でのエレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(E3)では,マイクロソフト社のXボックスが最大の存在感を示しそうだ。端末の価格と発売日,さらなる企業買収の発表などが期待されている。ゲームキューブとの注目の奪いあうとなるだろう。

 そしてXボックスも,米国で過去最大のお披露目となる。東京ゲームショウ・春が一気にXボックスに持っていかれたように,E3でも主役の座をみすみす任天堂に渡さない,のがMSの底力となるだろう。MSの,逆境でこその強さは,もう嫌というほどみせつけられているからね。

 任天堂のゲームキューブが,過去からの離脱としての意義付けならば,Xボックスは,新風一陣,の存在となる。MSにとっても,ただのソフト屋から大きく逸脱,まったく1から始める事業となる。過去に引きずるものなどなにもない。その強みこそ,こんな時代には,期待が膨らむ。さて,MSに望むべきことは,決してXボックスをPCとおんなじにせず,あくまでも,ゲーム機としてのステイタスを高めてほしいことだ。そんな,ソニーのような失敗は,もうみたくない。(E3でのXボックス中継は17日午前1時から)




 
[2001.05.15]
  断罪,暁光,悟得


 ▼フォースは「GAMECUBE」と共にあり(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0105/14/e_gamecube.html


 罪深き過ちに苦しむ歴史の先,待ち焦がれていた救世主の降臨。罪を断ち,暁光に手をかざす。悟得の思いに,道開かれる。

 任天堂社は,5月17日からのエレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(E3)でゲームキューブをお披露目するが,ゲームキューブ用ソフトの取材の感想では,コントローラーが直感的に操作できる。プレイステーション2と同じNFLのタイトルで比較すると,プレステ2は選手の顔がマネキンのような目をしているのに対し,ゲームキューブの選手の顔は生気が感じられる。

 もう画像の美しさとか,何万ポリゴンだとか,そんなことで優劣を決することができないゲームハード論争だが,スペックで上を行くXボックス,光源やテクスチャの効果でそれに匹敵するゲームキューブ,という見方か。まぁなんにしても,その両者の長所は,ここまでのゲーム不況を作った最大の原因である,ハード屋の自己満足マシンでしかない(しかもゲーム機ではさらさらない)プレステ2の罪を断ち切るいい機会となるだろう。ありがたいことだ。

 ソフト制作者たちにとっても,彼らになんの配慮もみせないプレステ2よりも,今からでもゲームキューブやXボックスに行ったほうが開発費用も抑えられてよいだろう。セガ分社のソニックチームの,コンシューマーハードへの参入解禁の折りには,たぶん任天堂の宮本が評価しているというサンバDEアミーゴや,さらには当然PSOも(過去記事)ゲームキューブになるだろう。またドラクエやFFも任天堂への回帰を考えていることが公然と噂される中で,それらの発表が行われさえすれば,ゲームキューブのアドバンテージは決定的となる。ゲームキューブによる,歴史の断罪。その時は,近い。




 
[2001.05.14]
  X架ける橋2


 ▼Mac OS X対応のFreeHand 10が発売(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0105/11/n_freehand.html


 X架ける橋,欄干に灯される,灯。(過去記事

 マクロメディア社のベクターグラフィックソフト「フリーハンド10」がオンラインで発売された。フリーハンド10は,マックOS Xへの対応をし,カスタマイズ可能なマスターページをサポート。他のマクロメディア社製品との共有要素が多い。

■いわゆるビッグネームの中で,OS Xネイティブアプリの最初となったのはフリーハンド10となった。対抗となり,日本では圧倒的なシェアとなっているアドビのイラストレーターがまったくいつになるかわからない中,フリーハンドの対応の早さは特筆もの。もともと,透過性の処理など,OS Xにフィットする機能をずいぶん早くから持っていたし,OS Xとの相性はよさそうな気がする(DLできなかったのでまだ未使用)。■あ,ノートン・アンチビールスのベータ版も出てますね。動作重い〜(T_T)(pic)。■OS X上でiTunesを使わなくなった。代わってミント・オーディオが絶品(とあちこちで云ってますが…)(pic)。操作が軽快で,スキンやごっつ小さいビジュアルエフェクトもあったり(pic),曲と曲のクロスフェードなど小技が効いている。さっそくプレオーダー。iTunesもOS Xになると鈍重なソフトになったなという印象が強い。クイックタイム・プレイヤーもそうだが,カーボンコードの処理のもたつきが,実際の動作をもたつかせている印象を受ける。

■その他のいい感じのアクアアプリ〜。■インターネットタイムをドックに表示のitウォッチpic)。■ただ単に画面の階調を反転させるけだけど,いつも明る過ぎるOS Xの画面を夜間暗くするのに最適なブラックライト:-D(picpic)。■メッチャ簡単にSSHを利用できるSSHアドミンpic)。■動作の重さの原因ともなる/ver/logの消去などいくつかのユニックスコマンドをGUIで簡単に使えるシェルシェルpic)。




 
[2001.05.12]
  知の向上は,ここにある,ここにしかない


 ▼期末レポートの盗作を見つけるプログラム(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010511204.html


 幾億の情報のなかを泳ぎ,そこから新しい知を発想することもある。その知が公開されて,さらなる知を生み出す。その積み重ねは,雲を突き抜ける万丈の塔となる。ワイヤードによる,知の向上,という塔。その土台は,情報の自由な共有,という理念だ。

 バージニア大学の教授が,自作のプログラムで,学生からのレポートをスキャンしてみると,盗作と思われるものがたくさんみつかり,学生の自主管理委員会に報告された。一部の学生が研究所のコンピューターに自分のレポートを保存し,それが盗用された可能性がある。学生は,カットアンドペーストで,楽々とテクノロジーを使い,不正が簡単になった。

 夏休みが終わって学生や生徒のレポートや宿題の解答などをみてみると,どうも似たようなものが多い。不審に思って問い詰めてみると,ウェブ上にある情報の丸写しだった,というのが昨今の学校ではよくあることらしい。なるほど調べてみると,ヤフーで検索をかけて,いちばん上にあるサイトの情報が,それらの解答欄に書き込まれている,とのこと。まぁ,楽だしね;-P。

 だが,情報の共有とは,盗むことではない。ナップスターを盗っ人の道具としかみられない考えが的外れな理由はそれだ。ナップスターで共有された音楽は,私の手元で「私のもの」になったり,「私の所有物」になるのではない。それもまた共有物となり,自由にアクセスできるものとなる。レポートの題材や,問題の答えは,きっと世界のどこかに掲載されているだろう。それを利用するのは自由だ。だが,それは「あなたのもの」ではない。それであなたがなんらかの評価を得ようというのは間違っている。それはナップスターでダウンロードしたファイルをCD-Rに焼いて,あたかも本物のCDであるかのように売って金儲けするのと一緒だ。せっかく共有されている情報を,そんな身勝手なことに使ってはいけない。それを発展させなければ,ここ,である意味がない。




 
[2001.05.11]
  爆走の余韻


 ▼Extreme PowerBooks: 45 to Zero MPH in One Second(Go2Mac.com)【英語】
  http://www.go2mac.com/displaynews.cfm?newsid=7919


 爆走する快感に酔いしれながら,梅雨の季節を走り抜け,@001の時を走り抜け,アマゾンを走り抜け,金星を走り抜け,…ふと耳を澄ますと,iTunesが鳥の囀りを奏でている。

 匿名読者からの報告。私はパワーブックG3を車の上に乗せ,移動した。時速40〜45マイルで走り,黒いものが飛び落ちないか気にしていたが,その後すっかり忘れてしまった。約45マイルで走っているときに,車から落下,至る所が傷つき,破損したが,マシンは起動し,15〜20時間普通に使えた。私はパワーブックに“ラッキー”と名付けた。

 アホや…(^_^;),と一言ですませてしまうのもあれだが,45マイルということは時速70キロぐらいだろうか。おいたわしやピズモ君…。この記事に対するレスポンスでは,ぜひ写真を見せてくれ!の大合唱のようで,まっ,みてみたいのも確かなのだが。

 記事はG3プロセッサの話だが,ここではパワーブックG4 チタニウムを車の上に積むというもっとアホなことを考えよう。1秒間に10億回の演算を行うとすると,時速70kmで走る自動車の上のチタンは,約20m進む間に10億回の演算をこなすことになる。時速100kmで走っていたとしても,28mで10億回の演算。1m移動する間に2億8000万回の演算をこなす。走行する車自体が発する熱量は膨大となり,もし演算能力を車の速度に付加すると,人間の目で確認できないほどの速度で爆走することになる。いや,だからどうしたというのは,ないのだけれどね(^_^ゞ。




 
[2001.05.09]
  聴きたいものを聴けるその日まで


 ▼MUSICMATCH、好きなタイプの曲しかかからない究極のラジオサービス開始(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/05/08/51.html


 聴きたいものを聴く。1日中,波の音を聴いていたい。1日中,鳥の鳴き声に身を埋めていたい。1日中,雑踏の音と乾いたビートに明日をみていたい。

 ミュージックマッチ社は,CD並みの音質のストリーミングラジオ「ラジオMX」のベータサービスを開始した。ラジオMXサービスは,現在約10万曲を対象にして,ユーザーの好みに合わせた曲を選んで流してくれる。今後,米国レコード協会や5大レーベルと交渉して楽曲を増やし,オンデマンドに近いサービスを行う。

 マック版やマックOS X版,さらにリナックス版も用意しているところがとてつもなく偉いミュージックマッチだが,RIAAやレコードレーベルとの交渉は一筋縄ではいかないだろう。MP3・コムのときもそうだったし,ナップスターのときも結局はそうだった。彼らは,自分たち以外が音楽で収入を得ることなどとことん許さない。音楽のためでもない,著作権者のためでもない,利益の独占が最優先事項なのだ。だから,ミュージックマッチの行く末も危うい。

 個人で有線をひいて音楽を楽しんでいる,という人ならまだしも,フツーの人が果たしてラジオにお金を払うだろうか,と云うのも一瞬不安がよぎるのだが,月600円,1年間6,000円で,24時間365日,自分の望んでいる曲が流れ続ける,というのは幸せな環境だと思う。「デジタル音楽サービスで,世界で初めて成功する」と自信をみせているラジオMX(Impress INTERNET Watchの記事),問題は,これからRIAAやレーベルから受ける妨害だろう。デジタル音楽の混乱は,まだ続く。そして,私たちが聴きたいものを麗しい環境で受け取れる日は,まだ遠い。




 
[2001.05.08]
  A HUMAN WORK


 ▼新iBookに惑わされるな(あるいは魅惑に落ちる快感)(CountMac)
  http://www.pascal.co.jp/countmac/index.shtml


 魂の名はアルティベック。それは現在のコンピューター環境にあって神の造りしもの。人の造りしものでしかないiBookとは,存在として異なる。だが,そのiBookは,アップルに奇跡が起こす。「奇跡は用意されていたのよ,誰かによってね」。

 新iBookは,非常に魅力的でありながら,デザインとサイズのために機能を犠牲にしている。安価なコンシューマー向けマシンであり,子供用のマックという位置付けなら許せる。確かに皆さんが求めたモバイルできるマックとは,新iBookだが,改めて他のマック製品をみると,今まで見逃してきた魅力も見つかるはずだ。

 魂の座としてのMPC7410。神の造りしパワーブックG4 チタニウムは,装甲を必要とする脆さを持つが,だがそれは,内に秘めた爆発的な能力の裏返しだ。抑えきれない能力の暴発を防ぐ手段はなく,人はその恐怖に抗いながらも,魂たるアルティベックを信じ続けるしか,生きる術を見出せない。A10神経で人間の心と,絶対恐怖領域(Absolute Terror field)を超えた接続を持つ,アルティベックの力の前に。

 既知の敵にはiBookで十分に対応できるが,未知の敵に対抗するには魂を動力とするパワーブックチタンが必要なのだ。iBookは,人の造りし機体でしかない。だが,そのiBookにこそ,奇跡は約束されていた。いわば,筋書き通りの奇跡。それは,決してコンピューティングの未来を開くためではない,偽りの奇跡であることはわかっている。あまりにも大きく耳目を集めたiBookで,アップルは業界内で優位に立ち,経済的にも安定を得て,自己の独自性を知らしめる。iBookは,はじめから「仕組まれた」機体だった。iBookの正確な位置付けは,それだ。(つことでネタ元のhelikz氏のカキコミ & 宗子さんの間違いご指摘に感謝m(_ _)m)




 
[2001.05.06]
  とあるサイトの出来事


 ▼Hackers storm White House Web site(ZDNet News)【英語】
  http://www.zdnet.com/zdnn/stories/news/0,4586,5082369,00.html


 やー,日本の官邸.go.jpも大丈夫でしょうか,今までは人気もなかったようですが(^_^ゞ,今は首が変わって結構人気もあるようですし,用心したほうがいいですかね,え? どっちにしても見向きもされてないって?

 4日の午前5〜8時の間,ホワイトハウスのドメインからの返答がなくなったことについて,ホワイトハウスのスポークスマンは金曜夜,サービス拒否攻撃があったことを認めた。また,同日10〜11時の間には,米国中央情報局(CIA)のサイトもリクエストの92%に返答ができない状況にあった。

 先日の米中軍用機の接触事故から,中国国内で5月4日を中心に米国政府系サイトへの攻撃予告がなされていたこともあり(CNN.co.jpの記事),その攻撃の可能性もある,と記事に記されている(実際は不明)。昨年2月の大手サイトを襲った分散型サービス拒否(過去記事),そして今年初頭のMSへの攻撃の一部(過去記事)など,この手の攻撃を断つ手は基本的にないことが災いしている。あれから,1年以上断っても,つけ入る隙はいくつでもある。

 実際には官公庁に赴くと,セキュリティーの人間や警察官がわんさかいる。政府系のウェブサイトもそれと同様に,まぁ他よりも気を使っているとは思うが,分散型サービス拒否の前では,ホワイトハウスも,官邸.go.jpも,2ch.netも,個人の日記系サイトも,ポルノサイトも,差はない(当然リクエストの許容量は違うだろうけど)。同様の手段で潰れる。だから,ホワイトハウス.govが止まってしまったとしてもそれほど重大事ではない。数ある攻撃されたサイトのうちの,ひとつ,でしかない。




 
[2001.05.05]
  共有されることが生きること


 ▼Aimster sounds off in Napster's wake(CNET NEWS.COM)【英語】
  http://news.cnet.com/news/0-1005-200-5800756.html


 共有されるというのは,ひとつの価値だ。そして。最大の価値だ。共有されて,初めて生きていける。人も,情報も。

 インスタントメッセージソフトでファイル交換も可能にするソフト「エイムスター」を提供しているエイムスター社は,エイムスターが米国の著作権を侵害していないことを宣言する判断を連邦地裁に尋ねた。エイムスター社は,米国レコード協会から著作権のあるファイルの共有をブロックする要請の手紙を受け取っている。だが,エイムスターではファイルはすべて暗号化されており,その中身をのぞくのはプライバシー侵害のおそれがあるとし,また仲間うちの小規模なネットワークを監視することはできないとしている。

 メールで考えると,わかりやすい。著作権付きのテキストがあったとする。それをメールで送りあっていたとしたら,それをブロックするのは,メールソフトを作っている人だろうか? またもしそのメールが暗号化されてやり取りされているとしたら,第3者がすべてのメールの暗号を解読して,全部読み,「これは著作権があるので送信できません」と云うのだろうか。ナップスターに代わる最良の選択肢となりそうなエイムスターの論理を崩すのは,並大抵のことではない。

 ファイルフリーダム社のソフトウェア「サイドキック」はナップスターなどのファイル共有ソフトと連動して,個々の共有されているファイルの評価をし,その「評価を」共有しあうというもの(CNET NEWS.COMの記事)。つまりとあるファイルを落とそうとすると,「そのファイルは過去に○回もダウンロードされた人気のファイルです」というのがわかったり,「そいつはモザイクがきついのでみぃへん方がええで」という誰かさんの評価が出て来たり(^_^;)するというもの。どんどんと拡充を広げ,もう誰も止めることはできない,ファイル共有の流れ。情報はすべて共有されるべきだ。共有されぬ情報に,存在価値はない。テキストとて,音楽とて,ムービーとて,人とて。




 
[2001.05.04]
  夢も希望もない


 ▼ネットゲーム対応へ動く大手・ナムコ、スクウェアなど連携模索(日経B20)
  http://b2o.nikkei.co.jp/contents/b2o10/w10/20010502n4452002_02.cfm


 夢も希望もない状況で,未来をみる術とはなんだろう。これはゲームの話ぢゃない,経営の話だ。

 ゲーム業界大手のナムコ社スクウェア社エニックス社が,株式持ち合いによる事業連携に踏み出した。3社は「なにも決まっていない」と発言しているが,ネットワークゲーム事業での可能性を示唆している。投資のかさむネット事業のインフラや開発ツールの共有は,意味がある。結果的にハードウェア事業から撤退したセガを反面教師に,ハードメーカーとの連携や,業界を超える枠組みの連携も予想される。

 果たしてこの3社の提携に,期待感など抱けるものがあるのだろうか? どんな業界であっても,トップにいる数社が手を組むなんて云うのは,せっぱ詰まった状況の現れだ。実際,ナムコの本決算の経常利益予測は45億の赤字(フレッシュアイ:株価情報),スクウェアは51億の赤字となっており(フレッシュアイ:株価情報),今のところ手堅いエニックスも,今後は同じ波にのみこまれるだろう。今後,景気が回復したからと云って,ゲームが売れる保証などからきしない。つまりそんな3社の提携など,夢も希望もないあらわれなのだ。

 唯一の突破口であるネットワークも,セガ以外は逃げ続けて来たツケが回ってきて,ゲームが売れない最悪の状況で実験や経験を踏まなければいけなくなっている。現在の唯一の「望み」であるのはPSOだが,今は終わってしまったハードの話をする時ではない。それに,もしPSOをその名前のまま,他のハードで出るとしたら(残念なことに一部そういう発言があったが(過去記事)),それはゲームキューブとなろうが(ソニックチームのゲームクリエイトの現実にいちばん近いのはゲームキューブだからだ),遅々として環境は進まない。今までネットワークを甘くみていたのだ。ある程度の痛みを味わうのは当然だろう。さて,その痛みを癒しに変えてくれるのは,ゲームキューブなのか,Xボックスなのか,それとも,コンシューマーゲームハードの絶滅,なのか?




 
[2001.05.03]
  チタンから,一擲


 ▼color iBook 2.0 rumor(Mac OS Rumors)【英語】
  http://www.macosrumors.com/


 iMacらしさを極力捨て,チタンっぽさを前面に出したiBook。この流れは,夏に発表になる新iMacが,噂サイトに出ていた画像のようなカラフルなこれまでのiMacデザインから離れることを予想させる。チタンをターニングポイントとする,アップルの革命の布石。その一擲のiBook。

 アップル社の発表のメインは,長い間噂されていた,パワーブックG4 チタニウムに似たiBookだった。他に行われた発表は,CDライティングが可能なマックOS XとiTunesのアップデート,さらに教育市場への強力な販売計画。新しいiBookには,新しい色の登場が予想される。まぁすぐにではないけれども。

 第3四半期(4-6月)を静かなままで終わらすことはできないと打った手は(過去記事),好意的なレスポンスが多く,なかなかいい感じで広まっているようだ。だが,このニューマシンは微妙に表現しにくい機体となっている。MacCentralの記事(MacWIRE ONLINEの記事)で,「メタファーを思いつかない」とあるが,本当にどう表現していいかわからない。ある意味では,iMac以上に,PCの常識から逸脱しているのか? まぁ,これほど明度の高い筐体のノートというのは,初めてみるが。

 以前のiBookの広告キャッチは,「iMac to Go」だった。今回は「Your life. To go」。iMacの成功を継いだ機種という印象から離れ,デジタルハブとして,そしてチタンという新しい輝石を礎とする。新しいiBookとチタンによる,ホワイト&メタルは,なかなかいい出来栄えかもしれない。と,そこに降って沸いたようなカラーNew iBookの話。あったとしても当分先だろうし,もしかしたら,もう「iMacではない」iBookに,そんな噂は必要ないのかもしれない(それはちょっとだけ,残念な気もするけどね)。




 
[2001.05.02]
  5月に降る雪


 ▼Apple Announces iBook 2001(Go2Mac.com)【英語】
  http://www.Go2Mac.com/displaynews.cfm?newsid=7908


 5月に降る雪もある。

 アップル社は,パワーブックG4 チタニウムの息子となるiBook 2001を発表した。メディア・イベントでスティーブ・ジョブズが発表した新機種は,G3 500MHzを積み,4つのドライブを選択できる。以前のiBookより2ポンド軽く,バックパックや書類鞄にフィットする大きさで,あなたの生活に適合するように設計されているという。

 「僕がその女の子と出会ったのは,まだ雪深い,真冬のことだった。どこまでも続く雪原の中,見慣れぬ土地で道に迷っていた僕の手を取り,彼女は暖炉のある静かな部屋へと導いてくれた。僕がなにか訊いても,彼女は首を動かして答えるだけ。無口,なのかな? と訝しがっていると,その様子に気付いた彼女は,驚くほど毅然とした声で云った。「冬に雪が降るのは,当たり前でしょ。だから,気をつけた方がいい」。

 いつしか,その時から3カ月ほど過ぎていた。たびたび部屋を訪れて,なんとか普通に言葉を交わすこともできるようになって,彼女の,笑顔をみることもできた。でも,いつもどこか忘れ物をしているような彼女の顔つきは変わってなくて,僕の不安は変わらなかった。そして,ある5月の初めの晴れた日。僕が彼女の部屋を訪れると,すでにそこは,雪が春の日差しで融けたように空っぽで,小さな置き手紙だけがあった。「シリウスの季節が終われば,雪は融けゆくものです」。……,………違う,嘘だ。僕はいつの間にか,あの日出会った場所へと駆け出していた。空はいつしか曇りだし,信じられないことに粉雪が舞っていた。…違う,この雪は僕が降らせているんだ。あの日と同じように,彼女と,会うためにだけ」。さて,彼は,彼女と出会えたのかな?




 
[2001.05.01]
  絶対無比の横顔にキス


 ▼Mac OS XでX(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/special/2001/xonx/


 OS Xの横顔。その,絶対無比の横顔は,正面からみたときのエレガンスなアクアよりも深い,魅力を持つ。横顔の君に,キスと,吐息と。

 マックOS Xでは,Xウインドウ・システムも利用できるようになっている。実際,リナックスやフリーBSDに代表されるPCユニックスとほぼ同等に使える。オープンソースを主とした豊富なアプリケーションもある。それらの秘められた力,これもマックOS Xの姿だ。

 つことで早速導入。根っからのまか〜である私は,できることなら苦労はしたくないという身なので(^_^;),テノンインターシステムズ社のXツールズを利用。発表のアナウンスの時に取り上げたが(過去記事),実際にすでに使ってその革新のOS体験を味わっている人もいるだろう。

 インストールにかかる手間は,Xフリー86とXツールズでは格段に違うだろう。XToolsでは他のマックOS Xアプリと同様のインストーラーで進むだけ(pic)。で,終わったら起動(pic)。楽々。まぁ実際はこのあとはことあるごとに,コマンドラインであれこれしなくてはいけないのだが,とりあえずキメラというブラウザをインストール。まぁこんな感じ(pic)。キメラは特に他のパッケージが必要にならないが,他のソフトだと,事前に入れなければいけないものが出てくるので面倒な部分が出てくるかも。前にもちょっとだけ書いたが(過去記事),GNUダーウィンに代表されるアプリケーション開発の動きの活発さは目を見張る。まか〜でも余裕があるなら,この世界は飛び込むに値する。




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